Sim City (ノモノスとイミューム Ver) - 平沢進/核P-MODEL.mp3

[00:52.424]あの日、
[00:53.181]通販で買った荷物が届いた。
[00:56.176]梱包を解こうと
[00:57.175]荷物に手をかけた瞬間
[00:59.172]何かが起こり、
[01:00.170]気が付けば
[01:01.180]私はここに居た。
[01:03.930]ここが何処なのかは、
[01:04.928]話したところで
[01:05.926]誰も信じないだろう。
[01:08.423]だからあえて説明はしない。
[01:11.176]もしもサンミアの声が
[01:12.429]聞こえなければ、
[01:13.672]私は不安と退屈で
[01:15.170]頭がおかしくなって
[01:16.680]いただろう。
[01:18.677]彼女はAmputeeと呼ばれる
[01:20.927]特殊な種族の一員で、
[01:23.426]いま私がここに
[01:24.422]居る理由も知っている。
[01:27.429]ここでサンミアから聴いた
[01:28.427]ノモノスとイミュームの話を
[01:30.923]する必要がある。
[01:33.431]世界は物語によって
[01:35.174]動いているのだと言う。
[01:37.425]つまり、
[01:37.924]全ての人は
[01:39.180]物語のプレーヤーとして
[01:40.920]世界を共有している
[01:42.430]ということだ。
[01:44.426]世界を動かす物語は、
[01:46.181]ノモノスとイミュームによって
[01:48.420]作られているのだという。
[01:50.928]しかしノモノスは、
[01:51.926]物語が変われば変わってしまう。
[01:56.177]イミュームとは「花」として
[01:57.929]知られている生物だが、
[01:59.926]イミュームの最も
[02:01.423]重要な活動について
[02:02.921]人類はまだ気づいていない。
[02:05.928]あの日私が荷物の梱包を
[02:07.925]解こうと手をかける瞬間まで、
[02:10.422]ノモノスは
[02:11.179]何でもないものとして
[02:12.929]ある植物園の何処かに
[02:15.172]人知れず落ちていた。
[02:17.921]ところが、
[02:18.677]その植物園で子供が
[02:20.429]ノモノスを発見し、
[02:22.172]母親に「あれは何か?」と
[02:24.680]尋ねたのだった。
[02:26.677]奇妙な形のノモノスを
[02:28.175]恐る恐る取り上げた母親の
[02:30.671]極度に歪んだサファオンに
[02:32.922]植物園中のイミュームが反応し、
[02:35.676]ノモノスを爆発物に
[02:37.672]変えたのだった。
[02:39.424]そしてサンミアは
[02:40.680]私をここに閉じ込めた。
[02:43.429]さあ、もう少しで
[02:44.926]今日の日記は終わりだ。
[02:47.922]サンミアが起き出す前に
[02:49.178]書き終えてしまわなければならない。
[02:52.672]昨日サンミアはこんなこと言った。
[02:55.679]「もう少しで発端が来る」と。
[02:58.929]いけない！
[02:59.927]サンミアが目を覚ました！
[03:50.432]私がサンミアよ。
[03:52.674]皆さんをここに
[03:53.427]集めたのは私なの。
[03:56.180]ここで彼のコンサートがあると
[03:57.678]を思ってきたのね。
[03:59.430]ごめんなさい。
[04:01.172]こうでもしなけれ、
[04:02.182]来てもらえなかったでしょう。
[04:04.933]残念だけど、
[04:05.677]今コンサートなんか
[04:07.175]やってる場合じゃないの。
[04:09.426]停止させた物語を
[04:10.681]再起動させてなければ
[04:12.179]大変なことになるのよ。
[04:14.430]植物園で爆発が
[04:15.674]起こらないパターンで、
[04:17.425]物語を再起動させ
[04:18.923]なくちゃいけないわ。
[04:21.177]いつかゆっくり謝るから、
[04:22.675]今日は諦めて、
[04:24.184]私に協力して頂戴。
[04:26.934]すぐに始めるからよく聞いて。
[04:29.929]まずは発端を作るのよ。
[04:32.425]彼も日記にそう書いてたでしょう。
[04:34.933]簡単よ。
[04:36.177]ここから彼を呼んではいいだけ。
[04:38.674]でも私帰すまで待って頂戴。
[04:41.935]発端が始まったら
[04:43.178]再起動の作業に入れるわ。
[04:45.929]いい、
[04:46.927]よく聞いて。
[04:48.425]私たちは物語を「反射」と
[04:49.934]呼んでいるんだけど、
[04:51.432]ここから二つの仮の
[04:52.931]反射を作り出して、
[04:54.427]乗り換えていくの。
[04:56.681]最初の反射と
[04:57.679]ノモノスを見つけて、
[04:58.931]それをソースに返すと、
[05:00.928]その反射は停止するわ。
[05:03.425]そして、
[05:04.181]次の反射に乗り換えるの。
[05:06.432]二つ目の反射には
[05:07.930]何かであるノモノスと
[05:09.427]初期状態の何でもない
[05:11.424]ノモノスがあるわ。
[05:13.679]何かであるノモノスを
[05:14.930]ソースに返せば、
[05:15.929]初期ノモノスは
[05:17.426]ここの物語に移動して、
[05:19.181]再起動が起こるわ。
[05:21.677]でも気をつけて。
[05:23.429]歪んだ強いサファオンの
[05:25.184]持ち主が近くにいると、
[05:27.181]ノモノスは何かに
[05:28.433]なってしまうから。
[05:30.430]必ず、
[05:31.429]Σ12に持ち返らせなくちゃ
[05:33.184]だめなの。
[05:34.436]そして、
[05:35.180]ノモノスをそっと
[05:36.433]あの植物園の人目に
[05:37.677]触れない場所に戻すのよ。
[05:40.684]さあ、いよいよ始まりよ。
[05:42.934]詳しい提示は後教えるわ。
[05:45.176]いい?
[05:46.429]さあ、彼を呼んで。
[06:37.931]「はい」
[08:29.935]ああ
[08:32.689]雲の影さえ重く
[08:37.681]ああ
[08:40.689]人の声に凍えて
[08:45.383]繰り返し、繰り返して
[08:49.888]キミは誘うよ
[08:53.139]繰り返し、繰り返して
[08:57.886]キミは誘う
[09:21.631]ああ
[09:24.638]椅子に掛け　日溜まりへ
[09:29.631]ああ
[09:32.638]あの街でキミに逢う
[09:37.131]繰り返し、繰り返し
[09:41.137]来た道をたどるよ
[09:45.130]繰り返し、繰り返し
[09:49.135]来た道が見え
[10:59.632]ああ
[11:02.639]嘘を咲く花も無く
[11:07.632]ああ
[11:10.893]来た道も帰れない
[11:15.132]繰り返し、繰り返して
[11:19.891]キミは誘うよ
[11:23.144]繰り返し、繰り返して
[11:27.636]キミは誘う